はじめての妊娠(2)
6週0日。進行流産のはじまり
6週0日の夜20時頃。トイレに行くと、ちょろっと赤い出血がありました。心配というよりは、ああもうだめなんだなという覚悟が芽生えました。
それと同時にだんだん生理痛のようなズン、ズンとした腹痛をうっすら感じるようになり、日付が変わる頃にはそれが激しい腹痛になりました。
これが進行流産(自然排出)の始まりでした。
痛みが激しくなってからは翌朝の7時頃まで、数分おきにやってくる腰をベキベキと絞り上げられるような痛みと出血でベッドの上で転げ回っていました。
夫に「大丈夫!?」と言われて答えたくても苦しくて「フイー! フイー!」という声しか上げられず、背中もシーツも脂汗でぐっしょり。
今まで経験した生理痛とは比べ物にならない痛みでどんどん出血も増えていく。でも夜用の普通のナプキンしかなかったので、体を引きずってトイレに行って数分置きにナプキンを換えないといけませんでした。
貧血や脱水になると困るので、とりあえず夫の二日酔い用に買いだめしているオーエスワンゼリーを2本ばかり飲みながら「ファイトいっぱつ」と心のなかで唱え続けていました。
具合が悪いときやつわりのときにもあると便利でしたオーエスワンゼリー。
長い夜
お医者さんからは夜中に腹痛や出血が始まったら救急病院にかかるように言われていましたが、婦人科のある大学病院に連絡したところ「今お産がすごく立て込んでいて、来てもらっても受付でしばらく待ってもらうことになる」とのことで、もう車で移動したり動くのもつらいし 、意識はまだしっかりしてるしいいやとあきらめました。
(あとで看護師をしている友人に話したら「そういうときは救急行かなきゃ」と言われたので、自己判断はよくなかったかもしれない)
お産が立て込んでるのかあ、今いきんでる妊婦さんたちがわたしのぶんまでうまくいくように……と変な話ですが励みになりました。
そう、生まれる命もあれば、消えゆく命もある。こうして人間は毎分毎秒さまざまな生命の営みを続けてきたわけでいってー。いててててー。
そして地球の裏では今まさにライオンに食われようとしているシマウマがいてーーー。いててててー。
壮大なことを考えて気を紛らわそうとしましたが痛いものは痛かったです。
夫はずっと隣で腰をさすってくれていましたが、いつのまにか安らかな顔で「スースー」と寝ていました。
この慌ただしい夜のことは、絵日記ブログのほうにも書きました。ははは。
痛みのピークは、朝になり「なにかいまだかつて見たことのないすごいものが出てきはじめた」 あたりから収束していきました。
体の力も抜けて、ようやく浅い眠りにつくことができました。
なんかこのときの「やりきった、朝が来た……」感は、映画『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(吸血鬼と戦う映画)やキョンシー映画のラストを彷彿とさせた……。
朝10時頃に夫がいったん起こしてくれて、かかりつけのお医者さんに連絡しました。
今から診ることも出来るし大学病院に連絡するから行ってもいいと言ってくれましたが、一晩苦しんで疲れたし痛みのピークも過ぎていたので、家で寝ていることに。
お医者さんはその後も心配して連絡をくださったりして、ありがたかったです。
▼つづく。
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