漢方外来で不育症の相談に行ってみる

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漢方外来デビューの顛末

三大婦人薬で体質改善

不育症検査の結果待ち期間中、大学病院の漢方外来にて専門のお医者さんに診察していただいてきたので、その話です。

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不育症検査の話はこちら→不育症検査 カテゴリーの記事一覧 

 

不育症の検査結果が出るまで1ヶ月。ということでまだ自分の不育症のリスク因子については判明していませんでしたが、「流産や不育症に関係があるかも?」と気になっていたのが冷え性

冷え性は病気ではなく体質ですが、それが病気につながる「未病(みびょう)」の状態であると、漢方薬での治療を目的とした東洋医学の世界では考えられています。

冷えは女性ホルモンのバランスを崩したり、子宮や卵巣の血流を悪くしたり、妊娠中もお腹の張りの原因となったりと女性の大敵です。

 

冷え性や婦人科の不調にアプローチしてくれる漢方の「三大婦人薬」といえば、

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

加味逍遙散(かみしょうようさん)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

の3種類。

 

東洋医学では生理痛や更年期障害、冷えといった女性特有のトラブルや病を「血の道」が滞る「瘀血(おけつ)」と捉えており、この3つの漢方薬はその「瘀血」を解消して血のめぐりをよくする機能があることから、古来より婦人科の不調に悩む女性に重宝されてきました。

 

自分の「証」を知りたい! 

漢方薬は体質(漢方用語では「証(しょう)」)によってそれぞれの薬を処方されるのですが、2017年末から冷え性を改善するべく自己診断でネットで買ったクラシエの当帰芍薬散をたまに飲んでいたわたし。

 

飲み始めてから2ヶ月で最初の妊娠もしたし、心拍確認までいったときは妊娠中も毎日せっせと飲んでいたし、流産後のホルモンバランスがすぐ整ったのも当帰芍薬散のおかげのような気がしていました。

 

▼こちらを買っていました。1日3回15日ぶんで1800円くらい。

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方当帰芍薬散料エキス顆粒 45包

「クラシエ」漢方当帰芍薬散料エキス顆粒 45包

 

ちなみにドラッグストアでよく見る「命の母」「命の母ホワイト」は、3大婦人薬全部をそれぞれ配合してさらにいろいろ足した「生薬製剤」で、どの証にも合う、というのがポイントらしいです。ただストレートな漢方薬に比べると生薬の量が少なめ(そのかわり証が合わないときの副作用も出にくい)とのこと。 

それなら薬効が高そうなほうがいいかな、と考えて当帰芍薬散を選びました。

 

合わない漢方薬を飲んだら不調に

しかし、わたしは骨格もがっしりめで、肉付きも良くて体格が良いほう。頬肉で顔もパンパンなので、つらいときもつらくなさそうに見えるのが悩みです。

パッと見だと、一般的に「当帰芍薬散」が合うと言われる証の特徴の「線が細い、虚弱体質」なイメージとはまったく異なっています。

「加味逍遙散」も「便秘がちで食欲不振の人」に処方される漢方なので、こちらも違う。 

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だから以前、冷え性を漢方専門医ではない婦人科のお医者さんに相談したとき、顔と体格をパッと見ただけで処方されたのは三大婦人薬のうちの「桂枝茯苓丸」でした。

これは一般的には体格も良くて体力がある人が飲む漢方だったのですが、飲んでみたところ味がとにかくダメで胸焼けを起こしたり、顎には痛いこもりニキビが……。

45日ぶん飲んでも効果を感じられず、むしろ不調になってすっかり漢方嫌いになってしまいました(漢方をやめたらニキビもすぐ引っ込んだ)。

 

それがたまたま「楽天ポイントも溜まってるし、冷え性に効果があるみたいだし、マッサージ師さんも”下半身の冷えや下半身太りには当帰芍薬散が効く”と言っていたな」と、何の気なしに当帰芍薬散をネットで購入して飲んでみたところ、お湯で溶いて飲んだらすっっごくおいしい!

胸焼けもしないし、お茶のようにスルスルといくらでも飲めそう。

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わたしがホッコリと漢方を飲んでいるとき、夫は「クサッ! 漢方クッサ!!」と匂いだけで逃げていくので、この漢方がおいしいのはどうやらわたしだけのようでした

 

ということは、体に合っている漢方はおいしく感じるという説をどこかで見ましたが、やはりわたしのこの分厚い肉の鎧のなかには線が細く虚弱な「真実の自分」がいるのではないだろうか、と確信めいた思いが。

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でも専門医や漢方薬局で診てもらったわけではないので、はたして当帰芍薬散は自分の体質に合っているのか。

一度きちんと自分の証(体質)と真実の自分の姿を確かめてみようと思い、前置きが長くなりましたが現代医学と漢方医学の両方を修めたお医者さんに診てもらえるという、東京女子医大の東洋医学研究所に行ってきました。

 

漢方外来の丁寧な診察に感動

病院では1日の尿や便の回数、自覚している症状や体質とその程度、父方母方の祖父母までの既往歴などなどたくさんの項目がある問診票を書いたうえで、詳しい問診と舌診と脈診、そしてお腹を押してハリや痛みを確認する腹診で診察してもらいます。 

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これがとても時間をかけて、丁寧なもので驚きました。

不育症外来の問診と内診も長かったですが全然それ以上。こんなに長い時間お医者さんにいろいろ聞かれて診察してもらったのは人生初じゃないだろうか。

最終的にわたしの悩みである繰り返す流産と冷え性にも「当帰芍薬散が合っていますよ」ということでお墨付きをいただき、今まで飲んでいたのと同じクラシエの当帰芍薬散の処方箋をいただきました。

イェーイ、でぶに見えてもやっぱり虚弱なわたしがいたのね!

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こちらのお医者さんによると漢方の生薬も肝臓に負担がかかったり副作用があるので、なんとなく飲めばいいというものではないらしい。

漢方を服用するにあたっての経過観察のための血液検査と、服用の仕方の指導もありました。

今までどおり当帰芍薬散はお湯で溶いて飲むのが一番良いみたい。

他に服用しているサプリメントとの飲み合わせなども指導されました。

 

いや〜、漢方飲むなら漢方専門医にきちんと診てもらったほうが良いですね。

 

専門医ではないお医者さんの見立ては外れていたし、というかこんなに丁寧に診てもらえるならネットで勝手に買わずにもっと早く行けばよかった。

初診は血液検査などがあるので3000円くらいかかりましたが、漢方も保険適用で28日分84包もらっても1000円くらいです。けちな話、ネットで買う半額以下になったので、これなら続けやすい。

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それにつけても、今まで婦人科のほかにも風邪や扁桃炎で内科のお医者さんに漢方をもらったこともあるけれど、専門医は診察の仕方が全然違う!!

過去のお医者さんたちはいったい何を見てホイホイ漢方を処方していたのかと思うくらい全然違う……。

 

漢方の先生には不育症外来にも通い始めたとお伝えしたので、現代医学と東洋医学、両方のアプローチと検査で不育症と向き合っていきたいと思います。

 

もし不育症の原因がわからなくても、なんかすごく健康になるんじゃないでしょうかわたし。

夫には「つまちゃんさぁ、あなたもともと病院で検査とかするの好きだったから良かったねえ。病院嫌いな人だったら検査だけでもつらいよね」と言われました。 

確かに、ルンルンと病院に行っては血を抜かれているわ。

 

その後(不育症検査結果〜3回めの妊娠)

その後。

「甲状腺と血液凝固異常に引っかかった」と不育症検査の結果を持ってまた漢方外来に行きましたが、ひとまずまた当帰芍薬散のみ続けることになりました。

不育症に対しては体の免疫反応を調整する「柴苓湯」などの処方があると聞きかじっていたのですが、そちらは出ませんでした。

「甲状腺や血液凝固異常は漢方でなんとかなったりするんですか?」というわたしの質問に、「いや、お薬出てるんですよね。そこはその薬を飲むのが一番いいですよ」とお医者さん。ちゃんと東洋西洋の医学を修めたお医者さんの言うことなので、なるほどそうかと納得。

わたしも漢方薬がめちゃくちゃ万能なものであるとは思わないので、現代医学でアプローチするものはそちらにしっかり任せようと思います。

 

そして自分にばっちり合っている当帰芍薬散をせっせと飲んでいたおかげか、2回めの流産から4ヶ月後にまた授かることができました。

しかしつわりが始まると漢方が飲めなくなってしまったので、漢方外来に通うのはしばらく休んでいました。

妊娠中期に入って漢方を飲むのを再開したので、そろそろ薬をもらいにいかなきゃな〜と思っていたらなななんと、東洋医学研究所は今年の7月に田端から新宿の若松河田に移転してしまったらしいです。

若松河田かあ……遠いな。ああ、田端だと近くて便利だったのに。

カムバック東洋医学研究所!!

 

つづく。

▼そして不育症検査の結果へ……

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