3回めの妊娠(4)FMC東京クリニックでの出生前診断とその結果

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FMFコンバインドプラス検査を受ける

▼前回

グループカウンセリングと採血

12週の某日、九段下にあるFMC東京クリニックへ行きました。

予約は7週のときにしました。

この時期はほぼつわりで寝込んでいましたが、12週は少し体調が良くなったので嬉しくて朝から大盛りの鍋焼きうどんをモリモリ食べました。

行きの電車ではたまたま優先席の近くに立っていたのですが、座っていた女性が「あれ、もしかして」という雰囲気でなんだかあきらかにわたしのカバンを見て、マタニティバッジを探して声をかけるか迷っている(バッジはつけていませんでした)。

お心遣いが嬉しいけれど、このお腹はただのうどんだ……。

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FMCに到着。受付をすると番号札を渡されて、病院内ではプライバシー保護のため番号で呼ばれます。

カルテを記入して待っていたら、番号を呼ばれました。

いよいよ別室に移動してグループカウンセリングが始まります。

 

カウンセリングでは、だいたい週数が同じ他の妊婦さん、付き添いの家族の数人と小さな会議室のような部屋でテーブルを囲んで同席。

カウンセリング中はペットボトルのお水をいただけましたが、つわりまっさかりの方がいらして大変そうでした。

お話をしてくださるのは、遺伝カウンセラーの方。

約90分のカウンセリングは、まず子どもの先天異常は女性の年齢リスクが関わる染色体異常よりも、それとは関係ない病気(心疾患など)や出生後にしかわからない疾患(自閉症など)のほうが多い、という話から始まりました。

「それでは先天異常がある子どもは、全出生の何人に何人くらいの確率だと思いますか? みなさんどうですか?

とカウンセラーさん。

そういう算数っぽい話はやめてくれないか。

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計算苦手……

 

答えは3〜4%らしいです。つまり100人に3〜4人。

このようなかんじで資料や受講者への質問、意見交換を交えて様々な出生前診断の検査方法や子どもの病気、染色体とは何かについて話してくれます。

部屋の空気が少し変わったのが、やっぱり年齢別の染色体異常の出生頻度の表を見せられたとき。

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「全染色体異常」では流産や死産リスクに関係のないクラインフェルター症候群なども含まれます

 

パッと見ると、年齢が上がるにつれてなかなかシビアな数字です。

ちなみにグループカウンセリングで一緒だった妊婦さんたちは、わたし含めて全員30代でした。

「たとえば母親が35歳の場合、21トリソミーの確率は378分の1です。この数字は大きいと思いますか?」とカウンセラーさん。うーむ、と唸る受講者たち。

「この表では378分の1という数字で出ていますが、パーセントで出してみるとどうでしょう、印象は変わりますか?」と言って再びこちらを見るカウンセラーさん。

だから算数の話は……!

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とりあえずカウンセラーさんから目を必死でそらし続けました。謎の緊張感。

パーセントは「分子÷分母×100」で出せるみたいです。

 

しかし反復流産だって1/200の確率なのにバッチリそれを引いているのだから、もうそれが0.5%やら0.1%と形を変えたところでなんともいえないような……。

しかもそれでいて宝くじは外れるのに……。

 

ここまでは母親側の年齢のリスクばかりですが、夫のほうの年齢は関係あるのかと質問したところ、「染色体異常に父親の年齢は関係ない」とのこと。

男性側も熱に弱いだの電磁波に弱いだのいろんな話を聞いたことがあるので、なんとなく環境や年齢に左右されるのかなと考えていましたが、「関係ない」とカウンセラーさんが断言したのがちょっと意外でした。そういうものなんだー。

 

それにしても、わたしは結婚や出産も流れに任せてでいいやと人生設計を立てずに生きてきたのですが、進路を決める高校の頃などに先ほどの年齢別の染色体異常のリスクを見ていたら多少考えが変わったりしたかな……?、とふと思いました。あとは夫と結婚する前にちょっとマリッジブルーになってうだうだしていたときとか。

自分の不育症リスクもそうですけど、積極的に知ろうとしなければわからない世界。過去のifを考えても無駄なのですが、ほんと難しいわ……。

 

そんなかんじで話が進んで、カウンセリングは予定どおりに終了。

このあと、改めて検査に進むか考える時間をもらえます。

でも検査を受けることは決めていたし、カウンセリングを聞いて改めて「やっておいて損はないな」と思ったので血液検査の採血へ。

個室で先ほどのカウンセラーさんに採血してもらって、この日は終了。

結果とエコーは2日後です。

 

先天異常の有無についての話より、算数の問題を当てられそうなドキドキの緊張のほうが怖かった。

 

初期胎児精密超音波検査

採血から2日後、午後休を取ってくれた夫と待ち合わせして一緒にクリニックへ。

エコー検査(初期胎児精密超音波検査)は海外の専門施設で研修を受けた専門医の方が30分ほど時間をかけてエコーしてくれます。

この時期の胎児の体長はまだ8cm前後と小さいため、「あくまでも生命予後に関わる重大な異常を早期発見すること」が目的となり、中期以降に異常が見つかる場合もあるという説明を受けました。

照明を落として暖かくした部屋でリラックスしながらお腹に機械を当てて、エコーが始まります。もちろん夫も一緒にエコー画面を見ることができます。

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まず

・胎児の大きさ(CRL)

・心拍数(FHR)※頻脈の場合は異常の確率が上がる

・首のうしろのむくみ(NT)

・鼻骨

・心臓の三尖弁の逆流の有無

・静脈管の血流波形

 

の計測をしていきます。

 

ちょっと緊張したのはNTのチェック。

こちらが厚いと、どのトリソミーの可能性も高くなります。

わたしたちの赤ちゃんの場合は「少し厚めに計測しましたが」ということで2.5mm超。

これは病院によっては「浮腫がある」と指摘されて精密検査を勧められる可能性もある数字だったので、やっぱりNT以外の項目と合わせて検査できるFMF検査を申し込んでよかったと思いました。

 

NTは産院の検診でもチェックされますが、FMC東京クリニックでは20年ぶんのFMFのデータから解析されるとのことで精度が高いのだとか。

それでもトリソミーがあってもむくみがない赤ちゃんも20%ほどいるので、これだけで判断はやはりできません。

わたしがふだん検診で通っている大学病院では、お医者さんはたぶん目視でよほどの異常がなければ計測はしないのか、1回だけ目視で「首のむくみも大丈夫そうですね〜」と言われただけで実際にNTを何ミリ、と計ったことはありませんでした。

NTを必ず計測する病院もあるみたいだし、なんだかそのへんは病院によるみたいですね。

 

いろいろ計測されている間も、ウニョウニョと動いている赤ちゃん。

うーん、初期だとゴツゴツしていて、せっかくの4Dエコーですが「顔がわかる〜、かわいい〜」というかんじではない笑。

まだ未分化ですが性器も見てもらいました。これくらいの時期(9〜14週)は外性器となる小突起Baby Nub(ベビーナブ)の角度で性別がわかるらしい。

男の子だと上向き、女の子だと下向きなんだとか。わたしたちの赤ちゃんは下向き。

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しかし11週だとまだまだエコーの見え方もあるし角度も変わる可能性が高いらしくて、うーん、性別は本当にどっちでもいいや。

男女どちらが生まれている状態も遠い未来すぎて全然想像がつかない……。

ちなみに夫は「女の子の予感がしていたから、ぼかぁ驚かないね。まぁ性別はどっちでもいいんだけど」と言っていました。いったい何を根拠に。

とりあえず性別は占い程度に心に留めておくことにしました。

 

結果説明

エコーが終了するとすぐに、母体の年齢によるバックグラウンドリスクに血液検査とエコーの結果を加えて総合的に算出したリスクの数値が「検査結果レポート」として出ました。

エコーをしてくださったお医者さんがそのまま説明をしてくれます。

各染色体異常の確率の数値は1/xxxxxという数字で出ていました。 

わたしたちが今回受けたFMFコンバインドプラスという検査の精度は93%〜96%ですが、つまり4〜7%は検査でもすり抜けてしまう場合があるという意味でもあり、確定検査ではありません。

この検査で出た確率が高いか低いか、陽性or陰性で結果が出ないと安心できないかは個々の捉え方なのでなんとも言えませんが、ひとまず心配していた流産や死産の可能性は、わたしたち夫婦のなかでは「きっと大丈夫だろう」と前に進める勇気がもらえるものでした。

 

赤ちゃんの体の構造や、胎盤やへその緒など子宮内評価の項目も今のところ問題なし。

赤ちゃんとわたしの体がしっかり繋がって血が通って、心臓も作られて栄養が届いているみたいでした。ああよかった!

胎盤については、位置に加えてPAPP-Aというタンパク質の濃度も採血でチェックできました。

妊娠初期にこのタンパク質の数値が少ないと、胎児や胎盤の予後不良と関連があるみたいなので、血液凝固異常持ちのわたしとしては胎盤の状態が本当に心配だったので、ホッとしました。

 

ちなみにエコーは動画で録画してUSBにいただくオプションもありましたが、赤ちゃんはまさに胎盤にずっとベッタリ突っ伏していて背を向けて動こうとせず、動画を撮ってもらう意味があまりない……。

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結局USBには焼いてもらわず、一瞬顔を向けたときの写真を1枚大きくしてお土産にもらいました(だけどゴツゴツしていた……)。突っ伏してるということは寝心地がいいってことなのね、よかったよかった。

 

こうしてFMFコンバインドプラス検査が終了し、クリニックを後にしました。

不安だったことも解消され、また新たな不安の材料になりそうだったもの(NT)も複合的な検査によって「ここまでやったんだから、あとは野となれ山となれで無事生んであげるだけだ!」と思える結果となりました。

大学病院で産む予定なので先天的に病気があった場合は即手術、など対応できそうな備えはもともとしてあるつもりですが、とりあえず今の時点ではその他の備えを考える必要もないということがわかりました。

夫も同じ意見で、「検査を受けてよかったね」と話しながら帰途につきました。

 

検査にかかった費用

FMFコンバインドプラス検査でかかった費用は以下のとおり。

(現在は違うかもしれないです)。

 

【1回め】

グループカウンセリング(90分)7,000円

初期血清マーカー 27,000円

【2回め】

精密超音波検査 35,000円

検査結果説明および方針ガイダンス 3,000円

 

計 72,000円

となりました。

 

検査を受けたあとの予後を研究のためフィードバックするアンケートをいただいたので、産後はバタバタしそうだけれど忘れないようにしなくちゃ。 

無事出産できたとお知らせ出来るといいな。あと性別が当たったかどうかですね、ふっふっふっ。

 

▼3回めのおめでた生活は続く