不育症検査のタイミングと検査項目&費用

6/13現在、2020年3月以前の日記の画像が表示されなくなっています。復旧をしばしお待ち下さい。

▼検査に至るまでの2回の妊娠・流産の話はこちらから

いざ不育症検査へ!

紹介状をいただく

進行流産と繋留流産という2回の流産を経て、このブログもようやく本題、不育症検査への道が始まりました。

まずは「不育症リスク因子を持っているのか、そうでないのか」をはっきりさせます。

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2回めの妊娠でお世話になった病院にて、流産手術後14日めの診察の日。

不育症の検査を考えていると話すと、お医者さんも「そっか流産2回めかー、術後の生理が来たらホルモン検査をしたほうがいいね」とのこと。

この個人病院でも検査は出来たのですが、不育症検査は検査項目の多そうな大学病院で受けようと夫婦で決めていたので、お願いして大学病院への紹介状をいただきました。

それに今まで健診の待合室でなんとなくいつも顔を合わせていた妊婦仲間の方のお腹が大きくなっていくのを見ながら不育症検査に通うのは、いくら図太いと人から言われるわたしたち夫婦でもしんどくなるときがありそう。余計なストレスは避けたい。

 

ということで、これが噂の「御侍史(おんじし)」! 

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※お医者さん同士のやりとりで使う敬称らしい。

 

紹介状があると優先的に予約が取れたり、大学病院の初診料もかかりません。ちなみに紹介状は2500円でした。

 

これで大きな一歩を踏み出した気がしました。

俺たちの冒険はこれからだ!!

  

病院の予約を取る

さっそく不育症外来のある大学病院に予約の電話。

不育症外来はどこも混んでいて1〜2ヶ月後の初診となることが多いみたいです。世間にはそんなに流産に悩んでいる人がいるんだなー、と思ったり。

 

我が家の近所は意外と不育症外来のある大学病院の選択肢が豊富なのですが、どの病院に通うことにしたのかはひとまず今の妊娠(3回め)が無事終わるまでちょっと伏せさせておいてくださいまし。

 

予約の電話で教えていただいた流産後の不育症検査のタイミング(不育症外来受診の条件)は、

・生理が2回以上来てから

(ホルモンバランスが整っているなら1回でも可)

・できるだけ夫婦で受診する

とのこと。

 

手術後は周期どおりに1回めの月のものは来ていたので、大丈夫だろうと直近の予約を取ることにしました(2回めのときバランス崩したけど……※前回の日記参照)。

 

初診までは妊娠中は控えていた大盛り鉄火丼を食べたり、あと「何か不育症に繋がりそうな思い当たる症状はなかったか」など過去の人間ドックの結果を読み返したりして過ごしていました(それについてはいろいろ発見があったので、また後の日記で)。

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鉄火丼の自慢

 

不育症外来の初診へ

残念ながら夫に急な仕事が入り、初診はわたし一人で行くことに。 

大学病院なので初診受付は午前中のみ。総合初診受付で申込票を書いて診察券を発行。大学病院に足を踏み入れたのは初めてだったので(お見舞いでも来たことがない!)、病院の広さと人の多さにドキドキ。

 

不育症外来の受付にて体重と血圧を計測して問診票を記入。過去の流産歴や既往歴、家族に流産歴がある人がいないかなど。

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その後は1時間ほど待合室の椅子で待っていたら、混雑のため診察は午後になるということで空き時間が。

カフェに入ってしっかりごはんを食べる時間はなかったのでコンビニの肉まんで済ませたところ、診察のあとの採血で血を6本抜いたので帰路はちょっとゲッソリしました……。こんなに血を抜くとは思わなんだ……。

 

不育症リスク因子のチェック!

ここから詳しく初診の診察内容のおぼえがき。

電光掲示板に受付番号が表示されて診察室へ入りました。

 

問診と検査項目の説明

まず問診では過去の流産のときの様子などを具体的に話しました。

お医者さんからは「流産した原因の心当たりはないか」という質問。

特にストレスについて聞かれたので、「1回めが流産したので2回めはまた流産するんじゃないかという不安と、成長スピードの遅さが気になって思ったより大きなストレスになっていたかもしれない」と答えました。

 

問診も終わり、「つまさんは2回流産しているので不育症として治療を始めていきます」という方針と検査費用の説明。

「検査はけっこう高くて、4万くらいかかっちゃうけど……」とのこと。

まあ、2回めの妊娠のときにも自分は「安静にしたほうがいいタイプなのか、動いたほうがいいタイプなのか」すらわからず不安だったので、もし異常が見つからなくても今後のための安心料です。

もちろん異常があれば自分の健康のためにも見つかってありがたいし、人間ドックみたいなものだ。

と、検査費用には合意したのですがお医者さんによると3回流産していないと保険が効かない項目があるそうで。

ああ、だから「高くなっちゃう」と残念なかんじで切り出してくださったのか。

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2回じゃだめなんですね〜、ははは。とか、悲しい話をしました。

  

子宮形態異常のチェック

問診のあとは内診。

3Dエコーと触診で、子宮の形や筋腫がないかなどを詳しくみていただきます。下腹部をグッ、グッと押されたりします。いたい。

これは不育症のリスク因子のひとつ、「子宮形態異常」があるかどうかのチェック。

厚生労働省の研究班による不育症のリスク因子別頻度のデータによると、不育症の検査を受けた人に見つかる「不育症のリスク因子」のうち子宮形態異常の人は7.8%だそうです。

これはなにかというと子宮の形が通常とは異なっている(奇形)というもので、赤ちゃんに栄養が運ばれづらいため流産を繰り返しやすくなるとか。

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異常が見つかった場合は、状態により手術などの治療が行われます。

わりと珍しい症例らしいですが、わたしの友人に子宮形態異常の子がいて(手術等は無し)、彼女の場合は不育症検査ではなくPMSがかなりひどかったことからわかったそう。

妊娠したときも早産気味になってしまって入院生活が大変そうでしたが、赤ちゃんは母体の栄養を全て吸い付くしたかのようにとても元気に産まれ、現在は立派な小学生です!

ひとまずわたしはこちらの項目での異常はありませんでした。

 

内分泌異常のチェック

問診・内診で診察は終了。別室で血液検査のための採血が行われます。結果は後日。

血液検査の項目その1は、甲状腺機能などホルモンの分泌状態に異常がないかのチェック。

わたしたちの喉にある甲状腺は、体の新陳代謝を促すホルモンを出すところ。

生殖に必要なホルモンも甲状腺がコントロールしています。甲状腺異常の病気は女性に多く、バセドウ病、橋本病などはわたしも耳にしたことがあります。

甲状腺に問題があると流産と早産のリスクが上がるそうです。

不育症検査でこちらの異常が見つかる人は6.8%。

甲状腺機能の低下(エンジン低下)、または亢進(エンジンふかし過ぎ)などがわかった場合は適切な治療でホルモンの値をきちんとコントロールすることで、流産率が下がります!

 

血液凝固異常のチェック

続いて血液検査項目その2。血液の固まりやすさの機能に異常がないかを調べます。

こちらの項目にひっかかると、「血が固まりやすく、血栓ができやすい体質」ということ。

血液が固まりやすいと胎盤に血栓が出来るなどして赤ちゃんに栄養が届かないことから、不育症の原因と言われているそうです。

血液凝固異常のリスク因子として多く見つかりやすいのは「抗リン脂質抗体」。

聞き慣れないですが、これは抗リン脂質抗体という自己抗体が体に作られてしまうことで、動静脈血栓症や習慣流産、胎児死亡などを起こすという自己免疫疾患です。

特に不育症患者にはこの抗リン脂質抗体の一種である抗PE抗体が陽性の人が多いみたいで、それが不育症の原因だという確固たるエビデンスはまだ無いらしいですが要注意。

治療法としては、排卵日のあとから生理が始まるまで血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んだり、自分で注射を打つ治療が必要で、妊娠した場合も継続します。

同じく血液凝固異常のリスク因子には第XII因子欠乏、プロテインS欠乏、プロテインC欠乏などなどがあります。 

これらのどれかに引っかかる人は不育症患者に多いそうです。

 

夫婦染色体検査

上記の検査はすべて女性のみに行われる検査でしたが、染色体検査は夫婦2人の染色体を調べるもの。

人間の染色体とその組み合わせは数が決まっているので(46本)、何かが多かったり足りなかったりすると出生の時点でなんらかの異常が起きます。

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しかし染色体の数は問題なくとも、繋がれ方が違ってしまった組が起こる場合があり、これを「染色体の転座」といいます。

 

転座があっても普段の生活には問題ないので、専門的な検査をしない限りは自分が転座を持っているかはわかりません。これは無精子症や不妊症、習慣性流産の原因となります。

 

わたしたちの場合は夫が来られなかったので、お医者さんからは

「夫婦染色体検査があるから本当は初診は夫婦で来てほしかったんだけどね。もしこれに引っかかった場合、治療法はないけれどちゃんと出産している人もいますから」

とザックリした説明だけで染色体検査は受けずにひとまず終わり。

 

しかし実はわたしは「治療法が無い」というこの検査をやるかどうか迷っていて。夫が一緒でも初診では受けなかったと思います。

転座があった場合は認可申請をして着床前診断をするという積極的な解決方法もありますが、正直言って「自分はそこまで子どもが欲しいだろうか」と踏み切れない気持ちがまだあります。

もちろん夫が「欲しい」と言えば「がんばろう」と思いますが……。

 

ちなみにわたしたちが通う病院では夫婦のどちらか(または両方)に転座があっても、誰に転座があったかの告知はしないそうです。

次回の診察は夫と一緒に行くので、それまでにどうするか考えないといけません。

わたしが迷っていることは先生には言いませんでしたし、夫に見せる用にいただいた資料の紙にも「染色体検査は強制ではない」と書いています。

夫は夫母に流産歴が2回かあるのが気になるらしく、染色体というより「ぼくにも何か異常がないか検査したいな」と言っていて(あんまり関係ない気もしますが)、きちんと病院からもらった資料を見せて話し合わなきゃな。

 

偶発的流産(原因不明)の可能性もある

ということで不育症検査のために調べる血液検査の項目は59項目!!

内診を含めると、60項目の検査を受けたわけです(結果はまだだけど)。

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しかし、ここまでいろいろ調べても、結局「これだ!」というリスク因子が見つからず「偶発的な流産」または「未知のリスク」、つまり検査結果が原因不明になるのは全体の65%にものぼるそうです。

そう考えると、妊娠出産って本当に難しいんだなあと思います。

なんか自分の存在がとっても奇跡に思えるわ。せっかく生まれたんだから優しくしてくれ……。

 

費用などなど

気になる検査の費用について。

初診の際の診察料・血液検査の費用は8,980円でした。 

そして採血の日をずらさないといけなくて別の日に採血だけ行った保険適用外の血液検査は31,552円。

 

計 40,532円でした。

 

8万くらいを覚悟していましたが、おかげさまで流産スタンプ2個溜まってたからね……少しお安くなりました……。

費用もさることながら、なんだかんだで初診にかかった時間は採血含めて5時間の長丁場となりました。1日仕事だわー!

 

検査結果は約1ヶ月後。

さあ結果はいかに!!

ドキドキ。

 

▼つづく。次回は不育検査を受ける前に人間ドックの結果を見返して気がついたことの話です。 

▼検査結果はこんなかんじ

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