はじめての妊娠(4)それから
(前回まで)
子どもの存在がリアルになった
記念すべきはじめての妊娠は、はじめから痛みがあって様子がおかしかったり異常妊娠の疑いがあったりで、なんとなく出鼻をくじかれてしまったというか。
そろそろ子どもがいても嬉しいなと思っていたので念願のおめでただったはずなのですが、ストレートに喜ぶ体験が出来ないまま終わってしまった気がします。うーむ。
2回めのときもやっぱり1回めのことがあったので、あまりはしゃげなかったしなあ。3回めは言わずもがな……
さて、今回のことで現実的になったのは
「わたしたち夫婦に、子どもがいる人生という選択肢も充分起こりうるということ」。
「その逆もしかり」。
普通は結婚すれば子どものことも人生設計に入るのが当たり前かもしれませんが、夫もわたしもまずは”2人で一緒にいたいがため”に結婚したので、子どもについては「子どもは授かりものだから」というふんわりしたこと以上の話はしていませんでした。
結婚して2年間(2016年末まで)は2人で過ごすことを決めていましたし、そのあと授からないことに対しても、そこまで焦りや危機感はありませんでした。
わたしの気持ちとしては、周りはどんどん子どもが生まれたりしていましたが、それに対して「そういえばうちはまだ子どもいないな〜出来たら嬉しいけど、まぁどっちでもいいな」くらい。
また、後述しますがわたしは子宮頸がん検診で軽度異形成に引っかかっていたので、とりあえず子どものことよりそちらの治療や経過観察を一番に考えていたのが最大の理由でもあります。
ただ夫は年の離れた妹さんが生まれたときのエピソードを「妹が欲しかったからすごく嬉しかった」と話してくれるし、子どものお世話をするのが好きな人。
ということでそのへんの夫婦の気持ちはちゃんとすり合わせておこうと「夫は子ども欲しい?」と何度か聞いたことがありました。
そのたび夫は「授かりものだから、出来たら出来たで、出来ないなら出来ないで本当にどちらでもいい。ぼくは子どもが欲しくて結婚したわけじゃないよ、あなたとずっと一緒にいるために結婚したんだよ〜」としか答えませんでした。
それで「そっか〜そんなに夫はわたしのことが好きなのね〜!」と、いい年こいてそこから考えるのをやめていたわたし。なんておめでたい……。
あほである
2人なら大丈夫
妊娠中は痛みと産科探しのせいであまり子どものことを考える余裕がなかったので、流産してから初めて、「子どもを望む人生というものをもっときちんと考えてみなければ!」と夫婦で時間を設けて話し合いました。
そして「子どものいない人生」についても話し合い、考えました。まだ不育症とはわかっていませんでしたが、また妊娠しても流産してしまう可能性についても。
それでも夫の意見は一貫して「ぼくはあなたと楽しくいられたらそれだけで充分、子どもは嬉しいおまけかな。今回のことで改めてそう思った。つらい思いはさせたくない」と言うので、わたしも同じ意見を取り、ひとまずは妊娠や検査のことはいったん置いて体の回復を優先させることにしました。
(実際、このときは夫もわたしも「しばらく妊娠は望めないかもしれない」という覚悟と同時に、「もし次に授かることがあれば今度はさすがに大丈夫だろう」という楽観的な思いもありましたが。)
人の心は揺らいだり変わったりしていくものですが、お互いがお互いをどう思っているかを話して現時点での足並みを揃えることができたので、夫との絆はより深まった気がします。
夫の言葉はきずぐすりのように自信を回復させてくれて、とても嬉しかったです。
ほがらかに!
もちろんはじめての妊娠がうまくいかなかったのは心から残念でしたが……。
でも子どもを得るということに関して、なんというか1回で産んでいたら「子どもなんて簡単に生まれるんだ」と驕り(おごり)のような気持ちも多少芽生えてしまったかもしれない……。
ということで今回の流産はより良い方向に人生を進めるためのきっかけをもらった気がして、「残念、悲しい」より「得たものは大きかったな!」という気持ちで、なんだか新しいことを考えるワクワクで充実してきました。
流産をきっかけに始めたこと
それから思い立ったことは、ふたつ!!
ひとつは夫と2人の時間をますます大切にすること。
子どもが出来れば2人だけで過ごせる時間はかけがえのないものだし、そうでなくてもわたしの人生にとって夫という存在も夫と過ごす時間も宝物です。
ということで、体力づくりも兼ねて夫と一緒にやってみたかったダンスのレッスンに通うことにしました!
▲社交ダンス、ハマりました!!
もうひとつは、家の不用品を捨てること笑。
よくよく考えたら、赤ちゃんが生まれてもベッドを置く場所がありませんでした。
クローゼットもわたしの古着でパンパンだし、納戸も引っ越してきてから全然整理してない。
ゆったり過ごすついでに、のんびり家を片付けていくことにしました。
寝室の無用な棚を粗大ごみ回収に出したり、古着は掃除用のウェスにしてばっちり。クローゼットのスペースもだいぶ空きました。
体を整えて、家を整えて、もちろんまた妊娠してもぬかりないし、妊娠しなくても良い環境になってきたと思います。
どんと来い!!
そういえば流産は「赤ちゃんが心地よい環境を作るために準備を手伝ってくれてるんだよ」というのをどこかで見ましたが、ずいぶん念入りだな。
そんな念入りな性格、夫にもわたしにも似てない……。
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▼つづく(次回は番外編)。
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